便秘は、文字通り排便が困難となる症状のことで、精神的にもスッキリとしないというだけではなく、吐き気や腹痛、腹部の膨満感や下腹部の痛み、食欲不振、眩暈、肩や背中の痛みなど他の症状を引き起こすケースもあります。

また、本来であれば体外に排出するべき毒素が蓄積されている状態であり、体臭や吹き出物なども発生しやすくなります。このために、美容の大敵と表現されることもあります。

男性に多い便秘は？

便秘は、ホルモンの働きや骨盤の形状、筋肉の量などにより、女性に多く見られるという特徴があります。
ただし、男性は無関係というわけではなく、厚生労働省の調査によると全体の約20パーセント程度の割合で悩んでいるということが判明しています。

男性の便秘の原因として多いのが、痙攣性便秘という症状です。
これは、排便が困難になるだけではなく下痢を交互に繰り返すという内容で、ストレスが原因となっています。これにより、大腸が緊張するので、らせん運動が不規則になってしまうことによるものです。

原因と症状

また、ハードワークが原因でストレスが蓄積されている様な場合は、食生活が偏っていたり睡眠不足などが加わっているケースもあります。

また、ストレスを解消するために飲酒や喫煙などを行っている場合は、大腸への負担はさらに強くなります。このような生活は単に便秘のリスクを高めるだけではなく、大腸がんなどの怖い疾患を引き起こす可能性もあります。

さらに、男性は女性と比較すると野菜やフルーツ、ヨーグルトなどの腸内環境を正常化する作用がある食品の摂取量も不足しがちです。
このために、負担だけを大きく受けてしまうので、症状が慢性化するケースも多く見られています。改善するためには、これらの食品を中心とした食生活の見直しとストレスの解消が必要となります。

便秘になった場合の対処法

ただし、これらを行っても状態が改善しない場合は、我慢して放置するのではなく医療機関で診察を受けるのが適当です。慢性化すると、硬くなった便が詰まって腸を塞ぐ糞便性イレウスという症状を引き起こす可能性があるからです。
この症状は激しい腹痛が特徴で、自然治癒することはありません。放置すると腸が破裂して、命に関わるという怖い症状です。

このように、たかが便秘と軽く考えていると取り返しがつかない症状に発展することもあります。
軽視するのではなく専門家に任せるという観点も必要で、その場合には便秘外来を用意している総合病院での受診がオススメです。