大腸の働きと便秘の関係。腸の調子を整えれば便秘は改善する?
- 2016.10.13
- 便秘に関する豆知識
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便意は感じるのだけれど、いざトイレに入ると、出口が詰まっているようで出そうで出ない、そんな便秘は、大腸の働きが悪いからかもしれません。
大腸の中はそんな時どうなっているのでしょうか。
そもそも大腸はどんな器官?
大腸は、お腹の中で小腸をぐるりと取り囲むように存在しています。直径は5~8cm、長さは1.5mくらいあります。
盲腸から始まり、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸を経て直腸へと続きますが、その大部分を占めているのは結腸と呼ばれる部分です。小腸にある繊毛はなく、消化液も出しません。縮んだり伸びたりする蠕動運動と、腸壁から出すアルカリ性の粘液によって消化物を肛門まで運びます。
途中で水分や塩分を吸収し、常在菌である大腸菌等で食物繊維やアミノ酸の発酵を行いますが、この発酵の過程でメタンガスやスカトールのようなにおいの元となるガスが発生します。
小腸から送られてきたドロドロした消化物は大腸の働きで次第に固まり、排便しやすい状態になりますが、ここで水分がうまく吸収されない場合は下痢となってしまいます。
トラブルを起こしている大腸の状態
便秘にはいくつかの種類があります。
一つは弛緩性便秘。大腸の蠕動運動が弱くなることが原因で、横行結腸から下行結腸へ向かうあたりで便が溜まります。パソコンに向かう時間が長いなど、普段同じ姿勢を長く続けていて運動不足の人に多く見られます。
次に、痙攣性便秘。これは逆に蠕動運動が強くなりすぎた場合に起こります。いつも何かしらイライラしがちでストレスが溜まっていると大腸がけいれんを起こし、うまく送られなくなった便が下行結腸のあたりに溜まります。
そして直腸性便秘。これは、直腸まで便が降りてきているにもかかわらず、便意が起きない状態です。何らかの理由でトイレを我慢するようなことが重なると、出すべき時に便意が起きなくなってしまいます。また便が溜まると、大腸の働きで水分が吸収されますから便は次第に硬くなっていきます。
タイプ別の予防法として
弛緩性の人には散歩が効果的。昼休み等には外を歩きましょう。事情があってなかなか外出できない人は、洗濯は朝、掃除は午後というように時間をずらして家事を行い、体を動かす頻度を多くするのもいいでしょう。
痙攣性の人はリラックスすることが必要ですが、呼吸法に気を配るのも一つの方法です。イラッとしたら深呼吸。寝る前に行う自律訓練法もおすすめです。また、背中を丸めて下ばかり向いているとストレスは出て行ってくれません。堂々と胸を張りましょう。
そして直腸性の人は、遠慮や恥ずかしさは命取りになるくらいの気持ちを持ちましょう。食べ物が胃に入ると、普通は大腸の働きで蠕動運動が起きる胃・結腸反射があり、同時に排便中枢と言う神経に信号が送られて排便反射が起こります。排便は食事同様、体にとってとても大事なことですから、せっかくの排便反射は大事にしましょう。