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梅雨を乗り切る!疲れた体に「とろろごはん」で便秘改善、ダイエット効果も

日本にははっきりとした四季があり、その為に「季節の食材」を楽しめる料理や文化が大きく発展してきました。

麦とろごはん」もそのひとつです。
焼肉店や牛タン店などで多く提供しているようですが、自宅で作る機会はあまりないメニューではないでしょうか?

是非、麦とろごはんのメリットを知って生活に取り入れてみて下さい。

体調を崩しがちな季節だからこそ

「麦とろごはん」は、食物繊維が豊富に含まれる大麦を白米に混ぜ込んで炊いたものに、すりおろして味噌などの発酵食品で味付けをしたとろろをかけた料理です。とろろの粘りけとあっさりした風味、温かいごはんと冷たいとろろによって食欲不振になりがちな時もさらりと食べられるようになっています。

毎年6月6日は「麦とろの日」とされています。
知らなかったという人も多いかもしれませんが、日本記念日協会にきちんと登録されている記念日ですよ。

麦とろごはんはかの松尾芭蕉も「梅若菜まりこの宿のとろゝ汁」という俳句を残しています。
初春の季節の旅路の先で老舗の宿のとろろ汁が迎えてくれるだろうと旅の無事を願った句です。徒歩による長旅で疲れた身体にも優しいとろろ汁は、江戸時代の街道中でも提供されていました。

また7月後半から8月の初めには土用の丑の日(夏土用)があります。
暑さで疲れた身体を助け、体力を付ける為に「ウナギを食べる日」という認識が現在にも広まっていますが、山芋・長芋が「山のウナギ」と古くから呼ばれていた食材であることは知っていましたか?
漢方などで用いられる生薬では「山薬(サンヤク)」と呼ばれ、滋養強壮などにも用いられてきた歴史があります。

気温・湿度の影響で体力を奪われがちな季節だからこそ、食物繊維をはじめとする栄養がたっぷりの麦とろ飯で精を付けたいですね。

「山芋」と「長芋」の違い

結論から言うと、栄養価や味の面で際立つ違いはありません。

山芋と長芋の違いは産地によるもので、「山芋」は日本原産の天然のものを指します。具体的には自然薯が有名です。

一方、「長芋」は中国原産、または日本で栽培されたものを指します。自然薯と比較すると水分が多く、粘りがやや弱いです。

他には「大和芋」という長芋の仲間もあります。これは関東では「いちょう芋」、関西では「つくね芋」など様々な名前で呼ばれていますが、横幅がある平べったい芋のことです。

粘りけは山芋、大和芋、長芋の順に強いです。
味わいは長芋、大和芋、山芋の順にあっさりとしています。

これらは全てヤマノイモ科の植物であり、先述した通り大きな差はありません。
価格でいうと、山芋が日本国産の天然のものの為、少し値が張るようです。

どうして便秘に効くの?

まず、とろろごはんのとろろには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維には水分を吸って大きくなり、排便を促す作用があります。
食物繊維はよく噛んで食べる事で意識的に多く摂取する事ができますが、とろろは既に摺り下ろしている為、頑張って噛む必要がなく食べやすい形状となっています。

とろろのネバネバした成分は「ムチン」という物質によるものです。納豆・オクラ・モロヘイヤなどのネバネバした食品に多く含まれている栄養で、タンパク質を効率良く吸収する働きがあります。
胃の粘膜を潤すので胃腸の調子が悪い人におすすめです。また、肝臓や腎臓の機能を高めて細胞を活性化するため、老化防止にも役立つとされています。

麦とろごはんには、白米に大麦を加えて炊く事が一般的です。この大麦は現在スーパーフードとして非常に注目されている食品です。

水に溶けやすい水溶性食物繊維が豊富で、美肌効果のあるビタミンB群や、高血圧を予防して体内の代謝を管理するカリウム、不足しがちなカルシウムも含んでいます。大麦に含まれる水溶性食物繊維である「β‐グルカン」には腸内環境を整えて善玉菌を増やしていくプロバイオティクスの機能があることもわかっています。

大麦は今や様々な栄養をとれる優秀な食材として、日本スーパーフード協会が率先し「MUGIGOHAN」という名称で国内外にアピールしている食材となっているのです。

麦とろごはんのレシピ

【基本のレシピ】
・山芋または長芋……200g
・だし汁(白だし)……50cc
・味噌……大さじ1~2

・白米……2合
・大麦……大さじ1

【作り方】
(1)白米を研ぎ、大麦を混ぜて炊飯する

(2)山芋または長芋は皮を剥いて摺り下ろす。
(3)だし汁に味噌を溶かしておく(だし汁を温めておくと溶かしやすい)
(4)摺り下ろしてとろろ状になったら、(3)を少しずつ加えて混ぜながら馴染ませる。
(5)炊きあがった(1)に(4)をかけて食べる。

【レシピのポイント】
地域によってはとろろに卵黄を1個分程度いれる事もあるようです。

大麦が入手しづらいという方は、個包装になっている「白米と混ぜて使う雑穀米」を使用してもいいでしょう。
ムチンを含む納豆・オクラ・モロヘイヤ・メカブなどはネバネバした食材同士で相性が良い為、トッピングに使っても美味しいです。

とろろの味が薄いと感じたら醤油または塩で調節して下さいね。

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