便秘タイプを診断!~便通改善は便秘のタイプを知ることから!
- 2017.02.05
- 便秘「基本のき」
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摂取した飲食物は、胃などの上部消化器官で消化され液体状になった摂取物が大腸で便塊化され、排便が直腸に到達すると大脳で排便反射が起こり排泄されます。
しかし、何らかの理由により自律神経のバランスが乱れる事で腸の機能が阻害され、便を直腸へ移動させる腸の蠕動運動が低下する為、何日も大腸に排便が滞留し更に便塊化が進み便秘となります。
しかし、一口に便秘と言っても弛緩性や痙攣性、直腸性の機能性の3タイプと器質性の1タイプの合わせて4タイプがあり、自分のタイプを知る必要があります。
弛緩性便秘
弛緩性便秘は、高齢者や運動不足、妊婦、産後の女性など筋力が低下している人達に発症し易いとされ、腹部の張りや残便感、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状が現れます。
弛緩性便秘は、腹筋の筋力の低下により次第に大腸が下に下がる大腸下垂が引き起こされ、弛緩した腸管では蠕動運動が正常に行われない事や腸内環境の悪化が原因です。
その為、ウオーキングやストレッチなど軽めの毎日の運動や腸を刺激する非水溶性食物繊維の摂取が症状の緩和改善に効果があります。
痙攣性便秘
痙攣性便秘は、精神的ストレスや環境の変化、睡眠不足、過敏性腸症候群などによるホルモンバランスの大きな乱れが、自律神経の副交感神経に悪影響を及ぼし大腸を痙攣させてしまいます。
その為、食後の下腹部痛や残便感などの症状に加え、ウサギの便の様なコロコロとした便を少量しか排泄出来無い反面、下痢症状を示す場合もあります。
解消法としては、睡眠の質を高める事で副交感神経の正常化やストレス解消などが効果的ですが、腸が痙攣しているので非水溶性食物繊維やカフェイン、アルコールなどの腸を刺激する飲食物の摂取は控える必要があります。
直腸性便秘
直腸性便秘は、何らかの理由により便意を我慢してしまう人に多く見られ、排泄物が直腸に到達しても大脳で排便反射が起こらない為に直腸に便が滞留してしまいます。
又、女性の場合は、体の構造上直腸の近くにあるくぼみに便がたまる直腸瘤(レクトシール)と呼ばれる症状を引き起こす事もあります。
直腸性も直腸瘤も原因は便意の我慢による排便反射機能の低下なので、解消法としては便意を我慢しない事が1番ですが、肛門と直腸の角度を直線にして肛門の筋肉も緩める骨盤底筋の弛緩も効果があるとされています。
しかし、腸を刺激する非水溶性食物繊維の摂取は、直腸性や直腸瘤には効果が無いとされています。
器質性便秘は、腸閉塞や大腸がん、腸管癒着などの器質的な起因があり、小腸や大腸通過時に障害が起こり、耐え難い腹痛や嘔吐、血便などの症状が現れます。
その為、安易に下剤を服用すると腸管穿孔を引き起こすので、速やかに専門の医療機関で検査するべきです。
便秘は、自分のタイプをしっかりと理解して、適切な方法で健康的で安全に解消する必要があります。