便秘で手術!?手術が必要な便秘のケースと手術法!
- 2016.04.14
- 病院・検査にまつわるコラム
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便秘は、便の排出が困難となっている状態のことです。
明確には定義されていませんが、3日間以上の排便間隔と残便を基準に、排便の頻度が1週間で2回以下で、排便が困難で便が硬く、残便感がある状態と考える専門家も存在しています。
また、男性よりも女性に多いということが特徴で、70パーセント以上が便秘に悩んでいるというデータもあります。
これは、黄体ホルモンの作用や骨盤の形、筋力の弱さなどが関係しています。
便秘が原因で病気になることも
便の中には、細菌の死骸や毒素など本来であれば体外に排出しなければばらない物質を含んでいます。
このために、これが腸内にとどまっていることにより、様々な不調につながってしまいます。
その中でも特に危険なのが、腸閉塞という疾患です。
これは、自然治癒することはないので、医療機関での治療を行わなくてはなりません。
放置しておくと生死にかかわるので、便秘といっても軽く考えるのは適当ではありません。
腸閉塞について
この腸閉塞には、複雑性と機械性の2種類があります。
複雑性腸閉塞とは、ヘルニアなどの他の疾患が原因で腸が閉塞してしまう状態のことです。
腸が締めつけられて血行障害を起こし、壊死する危険があります。
症状は、激しい腹痛やおう吐で、ショック症状を起こす場合もあり、緊急処置が必要となります。
もう一方の機械性腸閉塞は、腸がねじれたり、腸管の内部に腫瘍などが出来たりして塞がれてしまう状態のことです。
この機械性腸閉塞には、単純性と複雑性の2種類があります。
単純性の腸閉塞の原因の大部分は、開腹手術後の腸管の癒着によるものです。
また、腫瘍や胆石、寄生虫の集まりなどが原因で腸管を塞ぐケースもあります。
腸閉塞の手術について
この腸閉塞を含む手術が必要な便秘は、早期発見が非常に重要です。
このために、普段から症状について確認しておかなくてはなりません。
病気かもしれない便秘は、便が赤黒い、激しい痛みを伴う、生活習慣を改善しても全く治らないなどが特徴です。
これらの症状があらわれた場合は、便秘外来を用意している医療機関で受診するのが適当です。
なお、絞扼性腸閉塞という腸がねじれることにより詰まってしまう状態以外であれば、手術以外の保存的治療という方法が選択されます。
これは、食事や飲水を中止し胃腸を休めて、点滴により栄養補給するという内容です。
これにより腸閉塞の回復を待つのですが、状況によっては鼻からチューブを通して腸管内の圧力を下げるために、腸の内容物を排出するという作業も行います。
これを1週間行っても改善しない場合や、再発を繰り返す場合は手術が検討されることになります。