整腸剤が効く便秘と効かない便秘。便秘薬と下剤との違いは?
- 2016.09.04
- 便秘薬の選び方や使い方
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排便がスムーズに行かずに悩まされ続け薬などを普段から使っているという人は少なくありません。けれども便秘と一口に言ってもその原因やタイプはそれぞれに異なるので、自分の状態に最も合った薬を選ぶことと飲み方にも気を配ることが大切です。
お腹を冷やす成分などが含まれる下剤
下剤は一般的には便が出なくなってしまった状態ではじめて下すための薬なので、その内容はお腹を刺激したり冷やしたりする成分です。
排便がスムーズに行かなくなる原因がお腹が冷えている状態の人や、お腹が元々弱い状態の人が下剤を飲むと腹痛や激しい下痢などが起こる可能性があります。
また、下剤を飲むことが習慣になってしまうと、だんだんお腹が下剤の刺激や冷やす成分などになれて、下剤の量をどんどん増やさないと効果が現れなくなってしまうという危険性をはらんでいる事を理解して使う必要があります。
便秘薬は排便の調整をするための薬
便秘薬は下剤のように強制的にお腹を冷やしたり刺激したりする成分の働きで排便させるのではなく、毎日寝る前に服用することで翌朝にはすっきりと排便が起こり、徐々に飲む量を減らすことができるのが一般的です。
この薬にはさまざまなタイプがあり、お腹を温める効果のあるものや、逆にお腹を冷やすことで効果を上げるものなど種類が多いのが特徴です。
自分の便秘を解消するためには自分がどんなタイプなのか、どんなことが原因なのかということを理解して、硬すぎず柔らかすぎず、飲んで腹痛を起こしたりしないもので飲むことですっきりと排便できるように調節の利く薬を選ぶことが大切です。
便秘を根本的に解消するのが整腸剤
便が出ないなら下剤を使って強制的に排便すればいいと考えがちですが、下剤を使ってお通じがあってもそれは根本的に便秘を解消することには繋がらず、飲まなければまたすぐに便秘になってしまうことが少なくありません。
整腸剤には下剤のような即効性は期待できませんが、腸内環境を整えることによって長期的にそして根本的に便秘を解消するための薬だと言えます。
そもそも便秘が起こる原因のひとつが腸内環境が悪玉菌の増加によって悪化することです。腸内環境の悪化がすすむと、便が腸内に滞留することで有害物質が発生してさらに腸の内部環境が悪くなるため、どんどん便秘が進行してしまうことに繋がります。整腸剤はビフィズス菌などの働きで腸内の善玉菌を増やすことで腸内環境の改善を行うものがあります。
また、弛緩性便秘の改善には便通を良くする効果のある生薬を配合した整腸剤が向いています。ただし、便秘と下痢を繰り返す痙攣性のタイプには同じ整腸剤でも止寫作用のある生薬を配合したものが適しています。