便秘・腹痛・下痢に加えて下血した時に考えられる病気とは
- 2016.05.07
- 便秘「基本のき」
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便秘は、便の排出が困難となっている状態の総称であり、これ自体が単独の疾患というわけではありません。
また、毒素や老廃物、細菌の死骸などの身体にとって必要のないものが腸内にとどまっているということで、様々なトラブルを引き起こしがちです。
このために、他の不調を併発するというケースも少なくはありません。
なお、ホルモンの働きや骨盤の構造により、便秘は女性に多いということが特徴です。
便秘は男女関係なく起こる
ただし、男性も無関係というわけでは有りません。
男性に多いのは、ストレスが原因の痙攣性便秘という症状で、便秘と下痢を繰り返すのが特徴です。
また、偏った食生活や飲酒などにより、大腸にダメージを与えた場合も発症するリスクが高くなります。
さらに、これに腹痛と下血が加わっている場合は、虚血性大腸炎という病気の可能性があります。
この虚血性大腸炎とは、大腸の動脈が何らかの原因で塞がることにより起こる疾患です。
以前は、高齢者特有の病気と考えられていたのですが、現在では若い世代にも増加しています。
また、女性でも発症します。
虚血性大腸炎とは
虚血性大腸炎は、便秘が解消された途端に、今度は腹痛を伴う大量の下血に見舞われるという内容です。
下行結腸により発生する場合が多く、急に腹痛に見舞われてトイレに行ったら赤黒い便が出たということで症状に気づくのが典型的なケースです。
ほとんどは、腹痛や下痢、下血は数日間で収まりますが、腸が狭くなっていたり潰瘍部に穴が空いていることも稀に有ります。
なお、熱を伴うことは少なく、腹痛後にすぐに便意を催し下血が起こるということが特徴です。
この病気は、軽度の場合は入院する必要はありませんが、出血が多い場合や潰瘍が広くて深い時は、入院して大腸の安静を目的に絶食する場合もあります。
ほとんどは積極的な治療を行わなくても1~2週間程度で自然に治るのですが、手術を必要とする例外的なケースもあります。
下血は何らかの病気のサイン
なお、下血は何らかの病気のサインであり、しっかりと原因を突き止めなくてはなりません。
例えば、近い将来部位別の罹患率ナンバーワンになることが予測されている大腸がんの場合は、便秘と下痢を交互に起こしやすくなり、便に血液や粘液が混ざる場合があります。
これは、腫瘍が出来たために腸管が狭くなり、便が通過しにくくなったことによるものです。
これにより便秘がちになる一方で、便を砕いて無理に出そうとすることで腸がけいれんします。
大腸がんは、早期発見により適切な治療を受ければ、かなりの高確率で治すことが出来ます。
このために、便秘の後に疑わしい症状に見舞われた場合は放置するのではなく、医療機関で受診するのが適当です。